今年30周年の節目を迎えた「テイルズ オブ」シリーズ。
前回の記事では歴代作品と最新情報を総まとめし、シリーズ全体の歴史を辿った。
今回は「30周年を迎えた今でも色褪せない名作を遊び直したい」「最新ハードでプレイする方法を知りたい」——そんな読者に向け、シリーズ第一作『テイルズオブファンタジア』の歴史・システム・ストーリー・各種移植版の違いまでを一気に整理して解説する。
『テイルズオブファンタジア』とは?
1995年12月15日、スーパーファミコン向けにナムコから発売された横スクロール型アクションRPG である。
主題歌・ボイスを”ROM”に収録した意欲作であり、後続作へと受け継がれるリニアモーションバトルシステム(LMBS)の原点でもある。

プラットフォーム別移植・リメイク年表
本作は複数の移植・リメイクがされているので、以下に年表形式でまとめる。
年代 | 機種 | 主な追加・変更点 |
---|---|---|
1995 | SFC | オリジナル版(48Mbit の大容量でボイス・主題歌収録) |
1998 | PS | アニメムービー、イベント追加、難度調整 |
2003 | GBA | 図鑑機能、追加シナリオなど |
2006 | PSP | 全編フルボイス、16:9対応、グレードショップ |
2010 | PSP Cross E. | バトル・秘奥義再調整 |
2013 | iOS | F2P化/オンライン必須 2014年に配信終了 |
(2025) | (最新機種) | バンダイナムコが「旧作リマスター・プロジェクト」を推進中。次の候補に本作が挙がっているとの噂 |
現行機(Switch/PS5/Steam)向け正式リマスターは 2025年8月時点で未発表だが、30周年ロードマップに本作が含まれる可能性は高い。
今遊ぶならどれ?各バージョンの特徴と選び方
ここからは各バージョンの特徴と、今遊ぶならどれを選ぶべきかを解説する。
各バージョンの特徴
まずは各バージョンの特徴だが、押さえておきたいポイントを以下にまとめた。
- SFC 版
レトロな高難度とドット絵を味わいたいなら最適。ただしボイス音質は圧縮気味。 - PS 版
イベント量・ムービー重視派に推薦。処理落ちが抑えられ、バランスも遊びやすい。 - GBA 版
携帯機で手軽に遊びたい人向け。SFC準拠のシンプルさと追加要素のいいとこ取り。 - PSP 版(FVE/Cross E.)
グラフィック・システムともに現行基準で快適。シリーズ入門ならCross Editionもおすすめ。 - iOS 版
現在は配信終了。課金設計やオンライン必須により評価は低かった。
今遊ぶならどれ?
PS Storeのアーカイブス(PSP / Vita / PS TV に対応)で購入も可能なので、手軽に入手できる。
特にPSP版はフルボイス化や各種システム調整がされているので、今でも遊びやすいクオリティだと言える。
パッケージ版の購入リンクについて以下に記載する。
・テイルズオブファンタジア PlayStation the Best
・テイルズ オブ ファンタジア -フルボイスエディション- PSP the Best
システム解説:LMBSが示した2DアクションRPGの到達点
システムについて以下にまとめる。
特に、テイルズ特有のLMBSバトルシステムは第一作にして完成されていた。
- リアルタイム横スクロール戦闘:格ゲー的コマンドで技を発動し、前衛・後衛で立ち回りが一変する。
- レンジシステム:L/S(ロング/ショート)で AI・技性能が切り替わる独自仕様。
- 召喚術・料理:以降のシリーズ定番要素を初搭載。
- グレードショップ(PSP 以降):周回プレイの引き継ぎ要素として機能。
ストーリーとキャラクターの魅力
次にストーリーとキャラクターについて解説する。
ストーリー
主人公クレスは、故郷を滅ぼされた復讐の旅から、やがて魔王ダオスとの時空を超えた戦いへ身を投じる。
過去・現在・未来を行き来しながら “マナ枯渇” の真相を探る筋書きは、1990年代JRPG の中でもスケールが大きい。
時間移動SFとハイファンタジーを融合させた物語構造は、後の『テイルズ』シリーズ各作に影響を与えた。
また後のシリーズ作『テイルズオブシンフォニア』は本作の過去が舞台とされており、世界観のリンクも見られる。
キャラクター
主人公のクレス、ヒロインのミント、敵のダオスのキャラクター性はとても魅力的。
藤島康介氏の巧みなデザインと配色のセンスも光っている。
- クレス・アルベイン:直情的な剣士。正義感と成長譚が王道。
- ミント・アドネード:包容力と強い意志を併せ持つヒロイン。
- ダオス:単純な悪ではなく、「自国を救うための侵略者」という悲劇的背景が語られる。
音楽・主題歌のインパクト
桜庭統・田村信二氏らによる BGMはオーケストラ風の壮大さとロックの疾走感を両立。
主題歌「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」は家庭用ゲームでフルボーカル曲を収録した先駆例であり、ファン人気が高い。
評価とシリーズへの影響
発売後の評価、他シリーズへの影響について以下にまとめる。
- ファミ通クロスレビュー:30/40 点。ボイス演出の斬新さが高評価を得た。
- 累計販売:PS版は約77万本、SFC版は約21万本。フルボイスのPSP移植版も10万本超のヒットを記録した。
- 業界面:開発元ウルフチームの分裂が tri-Ace設立につながり、『スターオーシャン』などに系譜が続く。
2025年時点の入手方法・プレイ環境
2025年時点の入手方法・プレイ環境としては以下のような選択肢がある。
- PSP ダウンロード版
日本 PS Store のアーカイブスで購入可能(PSP / Vita / PS TV に対応) - 中古パッケージ
SFC・PS・GBA・PSP の各ソフトが流通。レトロ相場は比較的安定 - 30周年リマスター待ち
『テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター』に続く一本として本作の名前が挙がっている。続報を待ちたい
まとめ:今なお色褪せないシリーズ原点
『テイルズオブファンタジア』は、音声演出とリアルタイム戦闘で JRPG の常識を更新した金字塔である。
シナリオの濃密さ、LMBSのアクション性、そして時代を超えて紡がれる人間ドラマは30年経った現在でも輝きを失わない。
30周年リマスターが実現すれば、新旧ファンが一堂に会してシリーズの原点を再発見するまたとない機会になるだろう。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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