【徹底解説】デビルサマナーシリーズ完全ガイド――歴史・魅力・最新リマスター情報まで【RAIDOU】

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アトラスのRPG「デビルサマナー」シリーズは、探偵活劇のスリルと悪魔合体の戦略性を両立させ、プレイヤーを人ならざる異界へと引き込んできた。

6月には最新リマスター発売も控えている中、本記事では初代から遡り、最新作であるRAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚までを網羅しつつ、シリーズを貫く葛葉一族の血脈にも光を当てる。

はじめに――「デビルサマナー」とは何か

『真・女神転生 if…』のスピンオフとして誕生した「デビルサマナー」シリーズは、悪魔を使役して事件を解決する“デビルサマナー(悪魔召喚師)”を主人公に据えた、探偵活劇色の強いRPGである。

終末後の世界を描く本編メガテンとは異なり、現代日本や大正浪漫、サイバーパンク都市など多彩な舞台設定を持ち、交渉・育成・合体といったメガテンDNAを保ちながらも、悪魔と人間のドラマをより濃密に描いてきたシリーズだ。

シリーズ年表と発売プラットフォーム

ではまず、シリーズ年表と発売プラットフォームについて、以下の表にまとめる。

タイトル主な対応ハード備考
1995真・女神転生 デビルサマナーセガサターン →
PSP
シリーズ第1作
1997デビルサマナー ソウルハッカーズセガサターン → PS/3DSネオ神都・天海市が舞台 
2006デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団PS2アクション寄りのバトルに転換
2008デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王PS2システム改良と物量増加
2022ソウルハッカーズ2PS5/Xbox/PC等サイバー新生&HD世代
2025RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚 PS5/Switch2等HDリマスター+新要素(最新作)

共通システムとシリーズの魅力

デビルサマナーの核は「悪魔交渉」と「COMP」を介した仲魔システムである。

会話で悪魔をスカウトし、合体で強化しながら事件を追う流れは、推理小説の聞き込みにも似たテンポを生む。

また「ヤタガラス」と「ファントムソサエティ」という組織対立が下地にあり、法と混沌ではなく“正義の方法論”を巡る葛藤が物語に渋味を与えている。

タイトル別詳細・ゲーム性の進化

では上の表にて一覧で紹介したタイトルを、それぞれ深掘りして紹介していく。

1995『真・女神転生 デビルサマナー』

物語は、私立探偵・葛葉キョウジの肉体を借りた主人公が、悪魔犯罪を追うハードボイルド。

葛葉キョウジ

ターン制バトルと見下ろし型探索はメガテン本流譲りだが、拠点となる事務所や依頼システムが“事件決RPG”の雛形を提示した。

1995年にセガサターン用ソフトとして発売され、2007年にはPSPでリメイクされた。

シリーズ第一作から遊びたい人は、PSP版をプレイするのがおすすめ。

真・女神転生デビルサマナー アトラスベストコレクション – PSP

1997『デビルサマナー ソウルハッカーズ』

仮想都市“天海市”とネットワーク空間“パラダイムX”を行き来するSF色が特徴。

ハッキングや電脳悪魔といった時代先取りのテーマが好評を博し、2012年に発売された3DS版ではUIが現代化された。

こちらの3DS版は、個人的に強くおすすめしたい。

舞台設定、ストーリーが面白く、キャラクターがとても魅力的。

RAIDOUをプレイしてデビルサマナーシリーズに興味を持った方に、まずプレイしてほしいタイトルである。

デビルサマナー ソウルハッカーズ – 3DS

2006『葛葉ライドウ対超力兵団』

舞台は架空の“帝都・大正二十年”。戦闘はアクションに刷新され、主人公ライドウが仲魔にリアルタイムで指示を出す。

和洋折衷のレトロフューチャー美術が絶大な支持を得た。

『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』のオリジナル版がこの作品となる。

今プレイする場合は無論、6/19に発売されるリマスター版を選ぶべき。

RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚

2008『葛葉ライドウ対アバドン王』

前作の課題を解消し、戦闘テンポと合体バリエーションを強化。

デビサマ流アクションRPGの完成形と評価され、「悪魔を刀で斬る爽快感」と「重厚な怪奇譚」が両立した。

本作のリマスター、リメイクを待ち望むファンの声も多い。

デビルサマナー 葛葉ライドウ対アバドン王 Plus PS2

2022『ソウルハッカーズ2』

約25年ぶりにナンバリングが動いた意欲作。

コマンド式に回帰しつつ「スタック」システムで爽快感を演出。

サイバーゴシックな夜景と“人ならざるAIの視点”が新鮮で、シリーズのDNAを未来へつないだ。

ソウルハッカーズ2 – PS5

葛葉一族――ライドウへと繋がる魔を狩る血脈

続いて、葛葉(くずのは)一族について解説する。

葛葉一族は、日本における悪魔召喚師の名門であり、その始祖は平安期の陰陽師・蘆屋道満に連なるとされる。

彼らは1200年近くにわたり、外法師や妖異から“国”を守護してきた。

第一作では探偵キョウジ・葛葉とその相棒レイの事務所が舞台となり、主人公はキョウジの肉体を借りて闘う。

第一作の相棒、レイ

大正編では一族の称号「ライドウ」を継ぐ第十四代・葛葉ライドウが登場し、黒猫ゴウト(初代ライドウの魂)と共に帝都の闇を祓う。

葛葉の使命は「人と魔の均衡を保つこと」であり、そのために一定の非情さも求められる。

キョウジは私利私欲に走る悪魔と人間双方を、ライドウは国家規模の陰謀を相手取る。

血脈に連なる者であっても己の正義を問い直す姿が、シリーズを横断するヒューマニズムの根幹である。

アートワークと音楽――金子一馬・ライドウの大正浪漫世界

シリーズ通してキャラクターデザインを手掛けるのが、金子一馬である。

金子一馬の悪魔画集は、和洋折衷の神話・民俗モチーフを大胆に再構築したもので、特にライドウ編の着物×軍服×スチームパンクは唯一無二の存在感を放つ。

また、音楽面では田崎寿子目黒将司らが手掛けたジャズや浪曲調のBGMが探偵活劇の空気を醸成し、ソウルハッカーズ2ではシンセウェーブやブレイクビーツがネオン都市の疾走感を支えている。

デビルサマナーが与えた影響とメガテン本編との違い

悪魔合体・交渉は共有しつつも、本シリーズは「終末」「神の選択」といった宗教哲学よりも、「事件」「人間関係」「社会派テーマ」に焦点を当てる。

これによりメガテン本編が敬遠されがちなプレイヤーでも入りやすく、探偵AVGや和風ホラー作品にも近接する。

また、本シリーズでは“仲魔に命令を出す即応性”を取り込み、互いにフィードバックし合う関係が築かれている。

いま始める人のためのおすすめプレイ順

今からデビルサマナーシリーズは始めるのにおすすめなのが、以下のような順番だ。

  1. RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚(最新環境・バランス良)
  2. デビルサマナー ソウルハッカーズ 3DS版(原点回帰)
  3. ソウルハッカーズ2(最新ハード)

まずは6/19に発売される、最新作であるRAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚をプレイしてみよう。

そこで興味を持ったら、3DS版のソウルハッカーズがおすすめ。

ソウルハッカーズ2は最新ハードでプレイできるが、賛否が分かれる作品であり、シリーズの魅力を感じられるかどうかは微妙なところだ。

最新ニュース&今後の展開

前述したように2025/6/19に、シリーズ最新作である「RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚」が発売される。

この売り上げ次第では、初代デビルサマナーや、葛葉ライドウ対アバドン王など、他のシリーズタイトルがリマスターされる可能性も出てくると考えられる。

まとめ――デビルサマナーの魅力を再発見しよう

悪魔と交渉し、事件の裏側に潜む“もう一つの東京”を覗く――デビルサマナーは、人と異界の距離をリアルに感じさせる数少ないRPGである。

葛葉一族が体現する「守るために戦う」という矜持、そして金子一馬の妖しくも美しい悪魔図像は、30年近くたった今も色褪せない。

最新リマスターで帝都の闇に再び足を踏み入れるも良し、ネオン煌めく天海市でハッキングに明け暮れるも良し。

この記事を機に、読者諸氏が“新たな仲魔”と出会えることを願う。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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